kml:
なんというか、不思議な光景だった。礼儀正しい酔っぱらいたち。
昨日の夜、都心のオフィスからの帰宅途中。とある駅で始発電車に乗車、空いていたので席に座って出発を待ちながら読書中。
ホームに、総勢20人くらいだろうか。20代前半の、どう考えても泥酔一歩手前で、大声で怒鳴ったりとか笑い出したりとか、じゃれ合ってる集団が現れた。飲み会の帰りなんだろうな。この後は別の場所で2次会やるみたい。
「うわー、あれが乗車してきたら嫌だな」と思いながら、その集団の動向を見守る。
そしたら、乗車してきたわけだ。自分の乗っているその車両に。総勢20人くらい。車内の空気が一瞬で変わる。他の、既に乗車していた乗客もあからさまに「うわー」という顔になる。
酔っぱらいのうち数人は、空いていた席に座り、残りは立ってる、というか立つこともままならないので床に座り込んで喋ったりはしゃいだり。もうなんというか、凄い風景になった。
のだが、この人たち、確かにうるさいし酔っぱらっているのだが、他の乗客たちに絡んできたり、つっかかってきたり、文句言ったり、が全く無いのである。しかも、集団のうち数人は、車両の中を往復しながら「おまえら-、静かにしろよー、迷惑かけんなよー」と仕切ってるのである。えらい。酔っぱらってるし、態度も微妙過ぎるが、でもえらい。
そして、列車が出発する直前、老夫婦が乗車してきたのである。もちろん車内がこんな状況になってるとは知らない。で、入ってきて驚くわけだ。なんだこれは、と。
だが、席に座っていた酔っぱらいのうちの2人の女性が、「あー、どうぞー、座ってくださいー」とこの老夫婦に席を譲った。自分はそのまま席に座って読書中だったので、なんとなく申し訳ない気持ちに。この酔っぱらいたち、酔ってるけど礼儀正しい。
大声で喋ってるし足下ふらふらだし、今にも吐きそうな子だっているのだが、結局車内で他の乗客と問題を起こすこともなく、途中の駅で全員下車していった。これから朝まで二次会、なのだろうな。
で、仮に、だ。この酔っぱらいの集団総勢20名余りが、もし50代、60代のおっさんたちだったらどうなっていたのだろう。と、彼らが下車していったあまりにも静かな車内を見回しながら思ったわけだ。こういう風景になったのだろうか、と。